リプロデューシングパンチ
カードの束を複製することだけが仕事のパンチカード機。当時、複製はコマンドではなく、予定を組んで行う機械の運転だった。
IBMの513、514、後の519は、カードの束を読みながら、同じ内容の束を一度の通しでパンチした。それだけなら珍品だが、同じ機構から三つの機能が生まれた。ギャングパンチは、日付、口座番号、部門コードなどの定数を束の全カードに書き込む。サマリパンチは、タビュレータの小計を印刷せずに新しいカードへ出力し、結果をそのまま次の入力に使えるようにする。514と519ではマークセンスにも対応し、鉛筆の跡を読んで対応する穴をあけた。
複製は当時のバックアップでもあった。折れたり湿ったり、仕分けの最中に違うポケットへ落ちたりしたカードは、他のどこにも存在しない。1万枚のカードの束は、キーパンチでの数週間分の作業だ。だから大きな設備には必ずリプロデューサが置かれた。便利だからではなく、仕分けを実行する勇気を持つための前提条件だったからである。