残留磁化
加えた磁界がゼロに戻ったあとも残る磁化。ビットが実際に記憶されている場所である。
磁気媒体に書き込み、書き込み磁界を取り去っても、磁化はゼロには戻らず、ある残留値に落ち着く。これが残留磁化(Br または Mr)である。数年後に読み出しヘッドが拾うのはこの残された磁化であり、それがなければ何も記憶されない。残留磁化は、飽和磁化や保磁力とともに、材料のヒステリシスループの三つの要所の一つをなす。
優れた記録媒体には、読み出し信号を強くする高い残留磁化と、ビットが自然消磁しない高い保磁力の両方が要る。残留磁化と飽和磁化の比、つまり角形比(Mr/Ms)は1に近いほどよく、媒体は二つの明確な状態の間を、ふらつかずにぱちんと切り替わる。