量子鍵配送
数学的な困難さではなく、物理学に安全性の根拠を置いた暗号鍵の共有方式。
通常の鍵交換は、ある計算が現実的に重すぎることを前提にしている。QKD は逆に、測定すれば必ず測定対象が乱れるという性質に基づくため、盗聴が検知できる。これは攻撃者の計算能力が、量子コンピュータを含めどれほどでも成り立つ。
限界は実用面にある。複製を禁じる量子複製不可能定理のため信号を増幅できず、光ファイバーでの距離は数百キロに限られる。中国は2017年に衛星「墨子号」で衛星経由の QKD を実証した。それでも英国の NCSC をはじめ複数の安全保障機関は、実用上は QKD を勧めず、新たな物理インフラが要らない耐量子暗号を推奨している。