PEX
PHIGS Extension to X。OpenGLが役目を奪う前に、Xサーバーへ3Dグラフィックスを持たせようとした試み。
PHIGSは1980年代後半のISO規格で、CADや科学技術可視化向けの3Dグラフィックス標準だった。アプリケーションがオブジェクトの階層を組み立て、システムが描画する方式である。PEXはこのモデルをX11に持ち込んだ。構造をサーバーが保持して描画も担うので、別のマシン上のクライアントが、フレームごとにポリゴンを送り続けなくても自動車のモデルを回転させられる。参照実装は1991年のX11R5に同梱され、後に低レベル層としてPEXlibが加わった。
ワークステーションの各社が採用したものの、3Dの潮流は即時モードとハードウェアへの直接アクセスへ向かっていた。1992年にOpenGLが登場し、GLXがXでそれを運ぶ道を開く。PEXは利用者を次々に失い、最終的にはソースツリーから掃き出された。