_NET_WM_WINDOW_TYPE
開こうとしているウィンドウの種類をプログラムが申告するEWMHのプロパティ。パネルとダイアログとツールチップを、ウィンドウマネージャが区別して扱えるようになる。
X11にとってウィンドウはただのウィンドウである。長い間、ウィンドウマネージャは経験則で推測していた。タイトルバーを付けるか、タスクバーに出すか、すべての前面に浮かべるか。WM_TRANSIENT_FOR があればたぶんダイアログ、装飾なしを求めればたぶんパネル、という具合だ。EWMHはこれを明示的な宣言に変えた。マップ前に、プログラムが優先順に並べたアトムのリストを _NET_WM_WINDOW_TYPE に設定し、ウィンドウマネージャは理解できる最初のものを採用する。種類は _DESKTOP、_DOCK、_TOOLBAR、_MENU、_UTILITY、_SPLASH、_DIALOG、_NORMAL、さらにバージョン1.4で加わった _DROPDOWN_MENU、_POPUP_MENU、_TOOLTIP、_NOTIFICATION、_COMBO、_DND である。
この種類が扱い全体を決める。_DOCK は枠なしで通常のウィンドウより上に出て、全仮想デスクトップに表示され、たいてい領域を確保する _NET_WM_STRUT と対で使われる。_DESKTOP は最背面に置かれ、ファイルマネージャがルートウィンドウを占有せずにデスクトップアイコンを描ける理由はこれだ。コンポジティング型のウィンドウマネージャは種類で影やフェードを選び、メニューだけがふわりと現れる。プロパティが無ければ旧来の規則に戻り、WM_TRANSIENT_FOR を持つものはダイアログ、それ以外は通常ウィンドウとして扱われる。