Griffin–Lim法
振幅だけのスペクトログラムを音声に戻す反復法。つじつまが合うまで位相を推測し続ける。
STFTで得たスペクトログラムは、通常は位相を捨て、時間フレームごとの各周波数の強さだけを残す。見るには十分だが、再生はできない。MITのDaniel GriffinとJae Limが1984年に出した解決策はこうだ。ランダムな位相から始めて音声に変換し、再び変換し直し、新しい位相は残して振幅だけ既知のものに差し替える。これを繰り返す。反復のたびに誤差は減るが、真の位相に到達する保証はない。
2017年、GoogleのTacotron(音声合成)が生成したスペクトログラムの復元にこれを使い、再び脚光を浴びた。音は聞き取れるが金属的で位相がにじんだ響きで、まさにこの音を消すためにWaveNetなどのニューラルボコーダーが作られた。