浮動小数点演算ユニット(FPU)
IEEE 754 に従って浮動小数点数(小数点位置が動く数)の計算を行うプロセッサの部品。浮動小数点演算は複雑なため、整数ユニット(ALU)とは別に設けられている。科学計算、グラフィックス、AI、そして「実数」を扱うあらゆる処理に欠かせない。
背景:整数演算は単純だが、3.14159 や極端に大きい数・小さい数を表す浮動小数点では、IEEE 754 に沿って仮数部、指数部、丸めを扱う専用ハードウェアが要る。かつてFPUは別チップで、Intel 8087 の「数値演算コプロセッサ」は別売りだった。486DX でCPUに統合されている。現在は各コアが1つ以上のFPUを持ち、複数の数を並列に処理するSIMDユニット(AVX、NEON)と一体化していることが多い。これがベクトル化された数値計算の基盤である。性能は FLOPS(1秒あたりの浮動小数点演算回数)で測る。FPU/SIMD の能力は、HPC、シミュレーション、レンダリング、CPUでのAI推論の鍵を握る。整数側のALUと対をなす存在だ。