マスタープログラマ(ENIAC)
ENIACの制御フローは専用の筐体にあった。ループがあと何回か数える10個のカウンタが、パルスを別の出力へ振り分けた。
このユニットには「ステッパー」が10基あった。各ステッパーは6位置のスイッチと、1〜9に設定できる10進カウンタを備える。ステッパーに届いたプログラムパルスは数えられ、カウンタが上限に達すると次のパルスは別の出力から出て、ステッパーが1位置進む。ケーブルで作ったforループであり、ステッパーを連結すればループを入れ子にできた。
ENIACのプログラミングとは、ユニット間にケーブルを物理的に渡してスイッチを設定すること、つまり計算のデータフローを銅線で描くことだった。「これをN回行う」という概念が、配線をN個複製するのではなく概念として存在した場所は、マスタープログラマだけである。そのため、機械にとって制御フローに最も近いものだった。アキュムレータの符号出力と組み合わせれば、条件分岐もできた。
1948年の改造でENIACはパッチパネルではなく関数テーブルから命令を取り出せるようになり、制御フローはコード側へ移って、このユニットの役目は準備段階に縮んだ。速度は約6分の1になったが、問題ごとに数日かけて配線し直すことを思えば、安い買い物と広く評価されている。