組み込みLinux
ルータ、スマートテレビ、工場の操作パネルなど、コンピュータらしくない機器の上で動くLinuxで、カーネルとルートファイルシステムをその専用ハードウェアに合わせて削ぎ落としたものである。
マイコンの世界との境界は、おおむねMMUの有無にある。メモリ管理ユニットと数十MBのRAMがあればLinuxが動き、それ未満ならRTOSかベアメタルの領分になる。構成はほぼ決まっている。U-BootがRAMを初期化してカーネルを読み込み、デバイスツリーが搭載ハードウェアを伝え、BusyBoxを核とする最小限のルートファイルシステムがユーザーランドを担う。
全体はクロスコンパイラでビルドされ、多くはYoctoかBuildrootを経由する。見返りは出来合いのドライバとネットワークスタックで、代償は秒単位の起動時間と、メーカーが10年間パッチを出さない攻撃対象領域である。OpenWrtが生まれた大きな理由は、ルータメーカー自前のLinuxが発売翌日から更新されなくなったことにある。