エレベーター(OPEN LOOK)
矢印とつまみを一つにまとめ、ケーブルに沿って昇降させるOPEN LOOKのスクロールバー。他に採用した例はなく、それゆえ昔のSunのスクリーンショットは一目でわかる。
MotifやWindowsのスクロールバーは、溝の中をつまみが動き、両端に矢印がある形をしている。1988年のOPEN LOOK仕様はその逆を行った。矢印はつまみの真上と真下に直接置かれ、全体で「エレベーター」と呼ばれる一つの部品になり、細い線である「ケーブル」に沿って滑る。ケーブルは文書の表示部分に相当する区間が太く描かれ、割合はつまみの大きさではなく線で示された。両端には「ケーブルアンカー」があり、1クリックで先頭か末尾へ飛べる。矢印のクリックで1行、ケーブルのクリックで1ページ移動し、つまみをドラッグすればテキストがついてくる。狙いは人間工学で、向きを変えるのにマウスを大きく動かさずに済むというものだった。
XView、OLIT、TNTは仕様どおりに実装したので、OpenWindowsのプログラムにはすべてエレベーターがあった。1993年にSunがCDEとMotifへ移ると、プッシュピンと同じ運命をたどった。以後のツールキットでこの発想を拾ったものはない。Motifの溝とつまみが勝ったのは、Motifの多くがそうだったように、他の皆がすでに使っていたからである。