デジサンプル
SIDの音量レジスタをチップの想定を超える速さで叩き、デジタル録音の音を無理やり鳴らす技。C64は仕様書の約束をはるかに超えて喋った。
SIDにはサンプル音声専用のチャンネルがない。しかし抜け道があった。チップの音量レジスタに書き込むと、耳に聞こえるクリック音が出るのだ。ラスタに合わせて音量値を毎秒数千回も書き換えれば、4ビットPCMのストリームを再生でき、C64に喋らせたりドラムを叩かせたりできる。ただし再生中はCPU時間をほぼ使い切る。
この手法は早い時期に『Ghostbusters』(1984年)で披露され、タイトルを叫ばせた。その後デモシーンで極限まで追求されている。のちにSIDのフィルタのバグが見つかり、サンプル音声と通常の音楽を同時に鳴らすことさえできるようになった。MOSがまったく意図していなかった使い方である。