Crypto AG
半世紀近くにわたり、CIAと西ドイツのBNDが密かに所有していたスイスの暗号機メーカー。
ボリス・ハーゲリンは事業をスウェーデンからツークへ移し、1952年にCrypto AGを創業した。米ソどちらの機器も使いたくない100か国以上が顧客となり、スイスの中立性が最大の売り文句だった。1970年、同社はCIAと西ドイツのBNDが折半して密かに買収する。当事者の内部文書ではこの計画は「Thesaurus」、のちに「Rubicon」と呼ばれた。
出荷された機械には一見強力に見えるが、所有者だけが分かる形で弱められたアルゴリズムが入っていた。イラン、アルゼンチン、リビア、さらにはバチカンまでが、実質的にワシントンのために自国の通信を読ませていたことになる。営業担当のハンス・ビューラーは何も知らないまま1992年にイランで9か月間投獄された。BNDは1993年に持ち分を手放し、会社は2018年に解体された。全貌が報じられたのは2020年2月、ワシントン・ポスト、ZDF、SRFによってである。