補元性(DESの補数性)
DESの対称性。鍵と平文の全ビットを反転すると、暗号文もちょうど全ビット反転して出てくる。
式で書けば E(¬K, ¬P) = ¬E(K, P) となる。鍵とデータ半分がS-boxの前でXORされるため、反転が打ち消し合うことから導かれる。DESが標準化された1977年のうちに、すでに指摘されていた。
結果として、選択平文攻撃が可能な攻撃者は鍵探索を半分に減らせる。Pと¬Pの両方の暗号文を持っていれば、試した鍵ごとにその補元鍵も無料で検証でき、256は255に縮む。1ビット分の安全性という数字は小さく聞こえるが、DESにはそれすら惜しい余裕しかなかった。後の設計者は、鍵スケジュールがこの対称性を崩すように作っている。