クロックツリー
発振器、逓倍器、分周器からなるネットワーク。マイコンの各部分が何Hzで動くか、そもそもクロックが供給されるかどうかを決める。
根元には1つ以上のクロック源がある。すぐ起動するが温度でずれる内蔵RC発振器、精度は高いが安定まで数ミリ秒かかる外付けの水晶振動子、そしてリアルタイムクロック用の32.768kHzの水晶だ。PLLが周波数を引き上げ、プリスケーラが各バス向けに引き下げる。個々の周辺機能は枝の先にぶら下がり、それぞれ専用のゲートの向こう側にいる。
このゲートは、ファームウェアで最もよくあるバグの原因の1つだ。UARTを丁寧に設定したのに何も起きない。クロックを入れ忘れていたからである。ツリーが左右するのは速度だけではない。コアクロックを上げればフラッシュのウェイトステートが増え、ボーレートはバスクロックから導かれ、消費電力を削る際にまず使うのがクロックゲーティングだ。ベンダーがツリーを描くためのグラフィカルツールを配布しているという事実が、手作業の楽しさをよく物語っている。