クラウス=ペーター・シュノア
シュノア署名を考案したドイツの暗号学者。DSAより簡潔で洗練されていたが、そのせいでほぼ20年間特許に縛られた。
フランクフルト大学の教授だったシュノアは、1989年に離散対数に基づく署名方式を発表した。短く、高速で、明快な安全性証明が付いていた。彼が特許を取得したため、1991年にNIST がDSAを策定した際にはその特許を回避する形になり、世界は何十年も扱いにくい変種を使うことになった。特許は2008年に失効した。Ed25519は同じ発想の上に作られ、ビットコインは2021年にTaprootでシュノア署名を採用した。
格子基底簡約の分野では、格子暗号への攻撃の標準的な道具であるBKZアルゴリズムを開発した。2021年には、彼の名前でRSAを破ったと主張する原稿が出たが、破れてはいなかった。大物の論文にもピアレビューは必要だという教訓である。