バッドライン
C64のビデオチップがメモリバスを奪い、プロセッサに本来の約3分の1のサイクルしか残さないラスターライン。
バッドラインはVIC-IIの8ラスターラインごとに、そのラインの下位3ビットが垂直スクロール位置と一致したときに発生する。このラインではチップが新しいキャラクタデータとカラーRAMを取得しなければならず、間に合わせるためメモリバスを奪ってプロセッサを停止させる。通常使える約63サイクルは、約23サイクルにまで減る。
ゲームプログラマにとっては主に厄介者だったが、デモシーンにとっては課題そのものだった。ラスターバー、スプライトの多重化、ボーダーの開放など、サイクル単位で合わせるラスターコードはどれも、サイクル予算にバッドラインを織り込まなければ、効果が1ライン分ずれてしまう。バッドラインをずらす、あるいはスクロールレジスタを叩いて完全に抑え込むことは、それ自体が一つの技芸になった。この用語は、1990年代のクリスチャン・バウアーによるチップのリバースエンジニアリングで定着した。