アルトゥール・エカート
ポーランド生まれの物理学者。E91プロトコルで、量子鍵配送の安全性を単一光子ではなくもつれに基づかせた。
オックスフォードの博士課程在学中の1991年、エカートは、両者がもつれ状態の粒子対を共有し、測定の一部でベルの不等式を検証するプロトコルを発表した。量子力学の予言どおり不等式が破れていれば、第三者が相関を盗み見ることはできない。破れていなければ、誰かが聞いている。このアイデアはのちにデバイス非依存量子暗号の基礎となった。自分のハードウェアさえ信用しなくてよい方式である。
エカートはオックスフォードに残り、1990年代の量子コンピューティング研究の立ち上げに貢献した。2007年にはシンガポールの量子技術センターの初代所長となった。物理学科と暗号学会の間を平然と行き来できる、数少ない一人である。