TCPペーシング
ウィンドウが空いた途端にパケットをまとめて送り出すのではなく、RTT全体に均等に散らして送る方式。現代の輻輳制御が機能するための前提条件である。
従来のTCP送信側は本質的にぎくしゃくしている。ACKは束になって届き、ウィンドウが開くと、セグメントの一群が回線速度で一気に出ていく。経路上にバッファの浅いボトルネックが一つあるだけで、平均レートが帯域よりずっと低くても、このバーストのせいで無駄にパケットが落ちる。ペーシングは、ウィンドウを推定RTTで割って、パケット間隔を計算して送る。Linuxではsk_pacing_rateとして表現され、fqキューまたはスタック自身が実施し、ネットワークカードによるオフロードも登場している。BBRにとっては最適化ではなく必須条件だ。アルゴリズム全体がウィンドウを埋めるのではなく、計算したレートで送ることを前提に作られているからである。