フィリップ・エクスリン
2003年にレインボーテーブルを発明し、ソルトなしのパスワードハッシュを数秒の問題に変えたEPFLのスイス人研究者。
出発点は、Martin Hellmanが1980年に示した時間とメモリのトレードオフだ。ハッシュの連鎖を事前に計算し、各連鎖の始点と終点だけを保存して、ディスク容量と探索時間を交換する。Hellmanの表は、連鎖が衝突して合流してしまう問題を抱えていた。Oechslinの考えは、CRYPTO 2003で『Making a Faster Cryptanalytic Time-Memory Trade-Off』として発表されたもので、ステップごとに異なる帰着関数を使うというものだ。こうすると、2つの連鎖が合流するのは、ちょうど同じ位置で衝突したときだけになる。
デモの標的はWindowsのLMハッシュで、数秒で破ってみせた。無料ツールOphcrackの共同開発者でもある。残った成果は、実は教訓のほうだ。ソルトを付ければこの手法は無意味になる。Unixが1970年代からやっていたことを、Windowsはまだやっていなかった。