MT103
銀行間で顧客1件分の送金を伝えるSWIFTメッセージ。半世紀にわたり、国際送金の同義語といってよい存在だった。
番号付きフィールドを持つテキスト形式で、:20:は送信者参照、:32A:は起算日・通貨・金額、:50K:は送金人、:59:は受取人、:71A:は手数料の負担者でOUR、SHA、BENのいずれかを示す。資金がコルレス銀行を経由する必要がある場合、カバーはMT202 COVとして別に送られる。国際送金にまつわる謎の少なからぬ部分は、この分離から生まれた。
固定長のフィールドと、氏名や住所の自由記述という仕様は、堅牢である一方で機械によるスクリーニングを難しくした。国際送金では、ISO 20022のpacs.008に置き換えられ、期限は2025年11月だった。それでも名前は残るだろう。実際には行われていない支払の証拠として偽造の「MT103コピー」を添付する詐欺メールが、その一例だ。