Johan Helsingius
ネット上で最も人気のあった仮名リメーラーを運営し、サイエントロジー教会と裁判所によって匿名性の限界を思い知らされたフィンランド人。
ネット上では「Julf」の名で知られるヘルシンギウスは、1993年にanon.penet.fiを開設した。送信者ごとに仮名の別名が割り当てられ、返信はその別名経由で届く仕組みで、世界で最も広く使われた匿名リメーラーになった。ログは最小限に抑えていたが、設計には避けられない欠陥があった。すべての別名を実アドレスに対応づけられるからこそ動いていた、という点である。
その弱点は1995年に試された。サイエントロジー教会が、あるユーザーが著作物を流出させたと訴え、フィンランド警察を通じて本人の身元を開示させたのである。その後も法的圧力が続き、ヘルシンギウスは1996年にサービスを閉鎖した。この件は、複数のサーバーを連鎖させ、どの運営者も全体を把握できないようにした後続のリメーラーの、教科書的な論拠となった。