ヘルシュタット・リスク
通貨取引で自分の側の支払いを済ませた後、相手方が自分の側を支払う前に破綻してしまうリスク。
名称は、1974年6月26日の午後3時30分にドイツの監督当局が閉鎖したケルンのヘルシュタット銀行に由来する。取引相手はすでにフランクフルトでドイツマルクを引き渡していたが、ニューヨークはまだ午前10時30分で、ドル側の支払いは実行されていなかった。そして実行されることはなかった。システムの故障ではなく、時間帯の異なる二つの決済システムが互いの存在を知らなかっただけである。
この事件は同年、G10の中央銀行がバーゼル銀行監督委員会を設立する一因となった。実務上の解決は2002年のCLS稼働まで待たねばならず、PvP(同時決済)方式で両側の支払いが同時に行われるようになった。CLSを通らない通貨や取引では今もリスクが残っており、その規模は数兆ドルとされる。