ハードウェアセマフォ
他に合意する手段を持たないプロセッサコア同士のあいだで、ロックとして働くペリフェラルレジスタ。
Cortex-M7 と Cortex-M4 を同じダイに載せたり、アプリケーションコアの隣にマイコンコアを置いたりすると、アトミック操作のための共通の仕組みがないことが多い。各コアのイクスクルーシブモニタは自分のアクセスしか見えず、間にキャッシュが挟まることもある。そこで共有バス上にロック用レジスタ群を置く。コア ID 付きの読み書きがあると、空いていればロックを取得し、勝者がちょうど一つになることをハードウェアが保証する。
ST は STM32H7 と STM32MP1 でこのブロックを HSEM と呼ぶ。Texas Instruments は OMAP に同等のスピンロックモジュールを組み込み、Linux には駆動用の hwspinlock フレームワークがある。解放時に相手コアへ割り込みを上げられるものも多く、AMP 構成ではセマフォがメッセージ層の半分を担うことになる。