Cryptographic Doom Principle
メッセージのMACを検証する前に何らかの暗号処理を行えば、いずれ攻撃につながる、という経験則。
モクシー・マーリンスパイクが2011年のブログ記事で唱えた。受信したメッセージのMACを検証する前に暗号処理を行うと、どういうわけか必ず破滅につながる、というものだ。証拠はすでに積み上がっていた。2002年のヴォードネによるパディングオラクルは、CBCのパディングがMACより先に検査されていたから成立した。SSHは2009年に、認証前に長さフィールドを復号する点を突く攻撃で破られた。
対策はEncrypt-then-MACである。受信側は暗号文に対するタグを検証し、失敗したものは1バイトも復号せずに捨てる。この記事の2年後に登場したLucky ThirteenがTLSで原則の正しさを証明した。これほど早く裏づけられた原則は珍しい。