Crypto-1
MIFARE Classicカードに内蔵された非公開のストリーム暗号。解読されるまで数百万枚のカードに使われていた。
Crypto-1は、非線形フィルタを備えた48ビットのLFSRを基にしている。NXPはアルゴリズムを非公開にしたため、中身を調べたい者はチップの挙動から推測するしかなかった。これは「隠蔽によるセキュリティ」であり、2008年にオランダのラートバウド大学の研究者がチップを解読してみせるまでは持ちこたえた。
問題は暗号そのものだけではなく、それが守っていたものにもあった。同じチップを使う交通系カード、入退室用バッジ、ホテルの鍵である。出回った数百万枚のカードの置き換えには何年もかかった。システムは鍵以外がすべて公開されても安全でなければならない、というケルクホフスの原理をこれほど明快に示す例は少ない。