バースデーバウンド超えの安全性 (Beyond-birthday-bound security)
安全性の証明が、通常の衝突限界である2n/2ブロックを大きく超えても成り立つ暗号利用モードとMAC。
CBC、CTR、GCMをはじめとする古典的なモードは、バースデーバウンドまでしか安全性が証明されていない。AESなら264ブロックは遠い天井だが、64ビットブロックの暗号では数十ギガバイトにすぎず、Sweet32がそれを痛いほど具体的に示した。小さなブロックを使う軽量暗号の登場で、この問題は再び表面化している。
対策はいずれも衝突を隠すという発想に基づく。独立した2つの置換をXORすると、ほぼ完全にランダム関数のように見える。安田幹は2010年にSUM-ECBC、2011年にPMAC_Plusをこの考え方で構築し、CENCはカウンタモードに同じことを行っている。代価は暗号呼び出しの増加か状態の肥大化で、証明も長くなり、査読者にもコーヒーが要る。