エニーキャストDNS
同じIPアドレスをBGPで世界各地から広告し、利用者を自動的に最寄りのノードへ導く方式。DNSルートサーバー、大規模リゾルバ(1.1.1.1、8.8.8.8)、CDNの標準的な構成である。
仕組みはこうだ。世界中の複数のサーバーが同じプレフィックスを広告し、BGPのルーティングが各クライアントをトポロジー上で最も近いインスタンスへ振り向ける。得られるのは、近いノードによる低遅延、DDoS耐性(攻撃トラフィックが全ノードに分散し、過負荷のノードは経路から外すだけでよい)、そして容易なフェイルオーバーだ。DNSは短くステートレスなUDPクエリが中心なので、この方式とよく噛み合う。
13個あるDNS「ルートサーバー」は、実際には数百のエニーキャストインスタンスの集まりである。代償として、通信の途中で経路が変わるとTCPセッションが切れることがある(UDPのDNSではあまり問題にならない)。現代のインターネット基盤を支える要の一つだ。